TNK25 vol.4 -TANA-

週末の京都河原町

もう4月やとゆうのに、まだ少し寒さの残る街中は、幸せそうなカップル達が肩を寄せ合い寒さを凌ぎながら歩き、定番の待ち合わせ場所である阪急百貨店前は、週末の夜を一緒に過ごす彼氏彼女を待つ人達で溢れていました。


そんな阪急前で同じように待ち合わせしていた僕の後ろから、ようやく、

「お待たせ」

とゆう声が聞こえ、後ろを振り向くと、

そこに現れたのは、まるで80年代のトレンディドラマばりに人差し指と中指を額に当てながら、「チュッス」と口パクするTNK25こと田中君25歳。


※田中君=JohnMayerとAKB48をこよなく愛すギターリストで職場の後輩。

過去ブログ「TNK vol.3」http://d.hatena.ne.jp/yamadagou/20101121



とゆうことで、久しぶりに田中君と飲みに行ってきました。


お店に着き、席に案内されるのを待っている間、最近ハマっているというKARAについて語り出す田中君。

田「いやぁ、KARAやばいっすわ。てゆうか何で今までAKBにハマってたのか自分でも不思議ですもん。それくらい今は完全にKARAの時代っすね。」

ついこないだまで、あれだけAKBに心酔していたにも関わらず、何の躊躇もなく「今はKARAの時代」と言い切ってしまう潔すぎるミーハーっぷりを見せつけてくるTANAこと田中君。


そして席に案内され、メニューを見ながら注文をする時も、キムチ鍋など、やけに韓国料理的な辛いものばかり頼むので、

僕「あれ?そんな辛いの好きやったっけ?」

と尋ねると、

田「いやいや山田君!やっぱり辛いの食べとかなまずいっしょ!カラだけに!」

既に日本中の中年サラリーマンに使い尽くされたであろう、今最も勢いのないオヤジギャグを、これ見よがしのドヤ顔で言ってしまう田中君。


その後、頼んだメニューのどれもが予想以上に辛かったらしく、汗だくになりがらも、

田「うわ!辛いっすわ!これマジでカラいっす!」

と、ドヤ顔でチラチラこっちを見てるのが僕の副視野でも充分確認出来ました。


そんな感じで酒も進み、お互いの近況や音楽の話、はては幕末の話まで、楽しく喋っている内に再び話題はKARAに。

僕「田中君はKARAの中で誰が好きなん?AKBの時みたいにまたDDなん?」

※DD=オタク用語で「どの子も大好き」の略

田「いやいやKARAはそんな一筋縄ではいかないっす。てゆうか山田君、ぶっちゃけ僕の事オタク扱いしてバカにしてるでしょ?」

バカにしてるかバカにしてないかで問われたら、全力でバカにしてるんですが、そこは僕も一応先輩なので一呼吸おき、

山「いや、バカにしてないよ。あ、じゃあ特別好きな子がいるんや?」

田「僕の推しメンすか?それはもちろ…」

僕「え?え?待って、オシメンって何?」

田「いやいや、僕が推してるメンバーってことじゃないですか。」

知らんし!

DDの時もそうやったけど、その「皆さんご存知」みたいな言い方されても知らんし!

オタクであることを否定しながらも、その一つ一つの言動によって見事なまでに自身のオタクっぷりを露呈し続ける田中君。


さらにさっきの幕末の話を持ち出し、

田「つまり尊皇派ならぬ尊カラ派ってことですよ山田君。いや!尊カラ派ですきに!山田さん!」

ここが幕末の世なら白昼堂々切り落としてもやむを得ない状況でしたが、時代は平成。

僕も必死で耐えました。



そんな感じで、なんだかんだ楽しく飲み続け、次の店に行くことに。

二件目は田中君の行きつけで、座敷の店内は大半が外人のお客さんとゆう京都らしいお店でした。

そこでの田中君は、やけに周りをキョロキョロして落ち着きがなかったので、どうしたのかと尋ねると、

田「いや、韓国人の女の子いないかなと思って。」

と、周りに綺麗な外人がいっぱいいるにも関わらず、それに見向きもせずに韓国人を探してるんです。



真面目な話になるんですが、僕はこの時初めてアイドルの凄さに気付きました。

とゆうのも、今まで韓国に大して何の興味も知識もなかった田中君が、KARAを好きになる事で、KARAを通して韓国の文化を勉強し、韓国人の事を好きになり、

苦手だった韓国料理を「辛いっすわ!これマジでカラいっす!」と不必要なオヤジギャグを絡めてまでして、自ら好んで食べるようになりました。


たった一つのアイドルグループが、田中君の韓国に対する価値観を丸ごと変えてしまったんです。

これって本当に凄いことやなと。

本当に素晴らしい事やなと感じました。


きっと田中君は僕にこの素晴らしさを伝えたくて、KARAの事を熱く語ってくれてたんだと、その時初めて気付きました。

田中君の事をただのアイドルオタクのミーハーとまで思ってしまってた自分の器の小ささが急に恥ずかしくなり、

なんだかんだで今回もまた田中君に一つ大切な事を教わってしまったなと、誤解してた事を謝ろうと顔を上げて田中君を見ると、


田「あ!いましたよ!あの子絶対韓国人ですよ!見てくださいよ山田君!あの子めちゃくちゃ巨乳っす!」


一刻も早く前言を撤回したかったです。


そんな、ただの巨乳好きアイドルオタクのミーハー田中君との別れ際、田中君が、

田「アンニョンぜよ山田さん!」

と言った時は、




時代は平成といえど、







叩き切ってもやむを得なかったです。












  • Live Information -

今回の地震で被災された多くの方々に心からお見舞い申し上げます。

相変わらず無力な自分に今出来る事は音楽しかなくて、そしてそれが少しでも被災された方のお役に立てたらと思い、4月17日(日)に京都Club Metroにてチャリティーライブを行います。


4月17日(日)@京都Club Metro

jizue presents 瞬間の記憶vol.9】
東北地方太平洋沖地震 チャリティーライブ ■

uhnellys to too two Japan Tour 2011 〜

=出演=
uhnellys
キツネの嫁入り
志磨参兄弟
NOTIIBELIKESOMEONE
BURNING SIGN
jizue

OPEN 18:00 / START 18:30
ADV/ DOOR 1,800 yen

※ 本公演は上記チケット代金のうち一枚につき800円を義援金として寄付させて頂きます



粉川もブログで書いてるんですが、このイベントはレーベルメイトであるUhnellysのリリースツアー京都編をjizueが企画するという形で、2月の段階に既に決まってました。

しかし、そんな時に3.11の東北地方太平洋沖地震が起こりました。

急遽このイベントをチャリティーイベントにしたいとお願いすると、即答で「ぜひやろう!」と言ってくれた全出演バンドの方々、

経費を最低限まで削ってくれるとゆう、どこもが大変なこの時期に思ってもみない助けをくれたメトロの方々、

自分達の身勝手な考えに熱い気持ちを持って応えてくれた皆さんに、改めてここで深く感謝します。


上記チケット代金のうち一枚につき800円の寄付と書いてますが、勿論経費以外の余ったお金は全て寄付に回させてもらいます。

jizueの出番は一番、18:30からを予定してますので、皆さんぜひぜひ!ぜひ遊びに来て下さい!