アッちゃん
朝自転車に乗って仕事に向かう途中、よくすれ違う女子高生がいます。
金髪のストレートヘアをなびかせ、かなり短いスカートを履いて自転車にまたがり、
スカートから覗かせる足は現役の力士を彷彿させるほど太くてたくましく、
もし自分が相撲部の顧問だったなら、
「俺と一緒に両国国技館目指さないか」
と必死の思いでスカウトしているであろうダイヤモンドの原石。
顔も元横綱である曙関に酷似なんですが、いつもノーメイクなので眉毛もなく、お世辞にも人相が良いとは言い難いし、体が大きい事もあって結構な威圧感を感じます。
もしかしたら学校でも他の生徒に怖がられてるような、第一線で活躍する筋金入りのヤンキーなのかもしれないです。
しかし、
僕にはそんな彼女がどうしても悪い子には思えませんでした。
たしかにパッと見は威圧感もあって怖い印象なんですが、よく見るとつぶらで優しい目をしているし、実はすごくピュアな心を持った子なんじゃないかなと。
幼稚園に通う年の離れた妹を、毎日仕事で忙しい両親の代わりに自転車で送り迎えし、
どれだけ夜遅くに帰ってきても、次の日は早起きして妹のお弁当を作ってあげ、
単に甘やかすだけではなく、妹が悪い事をしたら本気で怒ってあげるような、
家族思いで妹の事を何よりも大切に思っているお姉ちゃん。
僕には彼女がそんな風に見えて仕方がないんです。
ただ実際彼女に年の離れた妹がいるのかと問われたら、答えは「全く知りません」になるんですが、
だとしても、そんな優しそうな彼女を相撲部のヤンキー呼ばわりするのはとんだお門違いで、
せめてこのブログではそんなウッチャリけ、ポッチャリ系の彼女の事を、親しみを込めて「アッちゃん」と呼びたいと思います。
で、ここからは今朝のアッちゃんの話になるんですが、
僕がいつものように仕事に向かっていると、両肘を自転車のハンドルに置いて両手でメールを打ちながらガニ股で走るアッちゃんが見えました。
これは優しい心を持ちながらも人前では素直になれず精一杯悪ぶった、アッちゃんなりのヤンキースタイルだというのは僕が一番分かってあげれてるんですが、
ただこのスタイル、両手がふさがったまま前も見れてないので、かなり危険な行為。
そして僕が危ないなと思った矢先、案の定交差点から小学生の集団が急に飛び出してきました。
(危ない!)
僕がそう思ったのと同時にアッちゃんも小学生に気付き、慌てて地面に両足をこすらせながら自転車を止めようとしましたが、
あまりの急な出来事に自転車とアッちゃんの頬肉はガタガタッと揺れながら、バランスを崩して倒れかけました。
ただ、そこはさすがアッちゃん。
道路に飛び出しそうになる自転車と自分の体を足腰だけで何とか土俵際いっ、歩道際一杯で持ちこたえたんです。
それを見た僕は、小学生とアッちゃんがケガもなく無事だったこと、
そして転倒しかけた瞬間フワッと舞うスカートの奥に見えた、アッちゃんのまわsh、パンツがピュアカラーの代名詞である『白』だった事も含め、ホッと胸を撫で下ろしました。
しかし、事件はその後すぐに起こりました。
態勢を立て直したアッちゃんは再びゆっくりと走り始めようとしたんですが、
その去り際、小学生をギロっと睨みつけながら信じられない言葉を投げつけたんです。
「チッ!!!!!!」
10mは離れていたであろう僕の耳に届くほどの声に出した舌打ち。
これには僕も驚きました。
(あのアッちゃんが舌打ち?)
(あの妹思いのアッちゃんが?)
(信じられない‥。)
しかし、この時の僕はそんな驚きよりも先に怒りの感情が込み上げてきました。
いくらアッちゃんが転倒しかけて危なかったとはいえ、非があるのは明らかによそ見運転をしていたアッちゃんの方。
仮に小学生にぶつかってケガをさせていたら、
ウッチャリし、ウッカリしてましたでは済まない話。
ここは大人として、驚かせてしまった小学生に対して「ゴメンね」の一言があって然るべき。
誰でも小さい頃、こんな事を教わったと思います。
『人に感謝の気持ちを伝える時は「ありがとう」、人に迷惑かけた時は「ごめんなさい」』
子供は大人を見て成長するわけで、だからこそ大人がしっかり正しい行動をして子供の手本にならなければいけません。
そして、そういう意味では僕もアッちゃんより一回り近く人生の先輩。
この際アッちゃんにはハッキリ言っておかなければいけません。
アッちゃん、
「ありがとう」
「白、似合ってたよ」と。
ちなみにその後、アッちゃんは何事もなかったかのように再び両肘を自転車のハンドルに置いて両手でメールを打ちながらガニ股で走っていきました。
筋金入りのヤンキーでした。
=Live information=
先々週のpasteurリリースツアーファイナル@京都メトロ、そして一昨日のK.R.S企画@神戸 太陽の虎、遊びに来て下さった皆さんありがとうございました。
先々週のメトロはpasteur、一昨日の太陽の虎はNot 2 be like someone、Burning signと、イベントの主催は京都の尊敬する先輩達によるものだったんですが、
音楽的には勿論のこと、やっぱり人間的にも最高な人達ばかりなわけで、
そんな先輩が手掛ける特別なイベントだったからこそ、当日はその友達や音楽仲間、色んな人達が沢山遊びに来てくれていて、これだけ愛されるのも当然だなと一人で納得してました。
そんな先輩達のカッコいい背中を見せてもらえたこの二週間は、12月に初ワンマンを控える僕達にとって大きい意味があったと思います。
改めてありがとうございました。
そして年内のライブはいよいよ残すところ12月17日のワンマンのみになりました。
今自分達に出来る事は全部出し切るつもりです。
このライブに合わせてニューシングル「Chaser」もリリースします。
良かったら12月17日、ぜひ僕らと一緒に同じ時間、同じ空間を楽しみましょう。
お待ちしてます。
2011.12.17(土)@京都 三条 Cafe independants
【jizue new single「Chaser」release oneman live】
Live :jizue 2ステージ制
open 19:00 / start 19:30
adv:2,000yen / door:2,500yen
チケットのご予約はこちらから
http://www.budmusic.org/schedule/712.html
info :
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jizue.com
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075-255-4312
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